アセット作家としての工夫とは

先の記事でも書いた通り、先日"Unite 2015 Tokyo"の講演の中で、参考アセットの1つとして"Game Music Pack"を紹介して頂きました。

その中でも特にアピールされていたのは、アセット作家としてたくさん工夫をされている、ということでした。

確かに、"Game Music Pack"は他のアセットに比べると、アセットの見せ方に力を入れていると自分でも思います。

講演の中でも簡単に触れていただいていますが、具体的に何をしているかを当記事で紹介したいと思います。

大事なポイントは3つです。


1、SNSを使う

誰でも思いつく簡単な手法ですが、やり方に工夫が必要です。

講演の中では宣伝する時間帯について触れていました。

それももちろん大事なのですが、僕が気をつけているのは宣伝を途切れさせないことです。

と言っても、1時間に1回とかそんな短いスパンではなく、例えば1週間に1回くらいです。

TwitterやFacebookのフィードは、1時間後程度くらいでは見ているユニークユーザーはそこまで変わらないですが、1週間も時間が経てばフィードを見てくれるユニークユーザーは、ほどよく入れ替わっています。

1ヶ月では単純に長すぎで、アセットを見に来るユーザーは急速に減っていってしまいます。

SNSでのアピールは、頻繁すぎず、間を空けすぎず、というちょうど良いタイミングが大事です。


2、サムネイルも商品

つまり、サムネイルには力を入れろってことです。

場合によってはお金をかけてもいいと思います。

それほどにサムネイルは大事です。

動画などもサムネ釣りなんてのがありますが、あれと全く同じです。

例えば僕のアセットは音関係だけですが、全くアセットの中身とは関係ない美少女キャラを全力で押し出してます。

たまたま知り合いに、ニコニコ界隈で有名な絵師がいたので、その人にお願いをして描いてもらいました。

一応音関係のアセットということでDJ風にしてもらいましたが、大事なのは美少女だから!と何度も念押ししました。

ハッキリ言ってアセットの内容がイメージできるサムネイルなんてのは割とどうでもいいです。

というより、サムネイルで中身のイメージを持たせることは難易度が凄まじく高いです。

そーいうのはスクリーンショットで説明するほうが簡単ですし、それで十分な効果が得られます。

ちなみに、僕は美少女ほどサムネの引きがあるものはないと思っているので美少女キャラサムネにしましたが、これ以上に引きのあるサムネは作り出せるハズです。

是非、誰もが考えもしない引きのあるサムネ作りに頭を捻ってください。

僕もまだまだ捻ってます。


3、更新の手を緩めない

エディター系にしてもマテリアル系にしても何でもそうなんですが、作って出してハイ終わり!ってのはあり得ないです。

どんなに機能的に優れているアセットでも、更新がなければあっという間に人気は落ちていきます。

上位層にいるアセットを見ると、何かしらの更新を頻繁に続けていてバージョン番号が常に上がり続けています。

メンテナンス系のアップデートも少なくはないでしょうが、やはり人気の高いアセットは機能拡張などの進化系バージョンアップが多いように思います。

僕の場合は、他の音楽アセットではあまりやらない、追加BGMという更新を定期的に行っています。

正直なところ、新曲は新曲パッケージとして売ったほうが収益は上がるんでしょうし、実際そうしてる音楽アセット作家さんがほとんどなんですが、僕は1つのパッケージを長く大事に使ってもらいたいという想いがあるので、"Game Music Pack"を買ってくれた人には無償で半永久的に追加BGMを提供することにしました。

そうすることで、パッケージ更新=BGM追加という流れを作り、それを定期的にSNSで宣伝するという、上記の"1、SNSを使う"を回せる仕組みになっています。

特に日本の場合ですが、Unityの公式Twitterアカウントが積極的に販売促進をしてくれるので、常に更新をアピールしてUnity本家と仲良くなって拡散してもらうのは大変効果があります。

是非、更新の手は緩めずUnity本家と仲良くなってください。


以上、大事なポイントを3つに絞って書きましたが、これはあくまでも有料アセットの話です。

無料アセットは宣伝を頑張らなくても中身が無料以上の価値を持っていれば自然と人気がでます。

ただ収益にはなりませんので、どちらかというと自分の名をアピールしたい場合は無料という方法もありかもしれませんね。

でもそれほどのクオリティを生み出せる作家さんは有料でも十分に人気が出ると思うので、やはり有料に思い切って踏み込んでみても良いと思います。


兎にも角にも、まずはアセットを出してみる!ことが大事です。

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